主な先物取引とFXの関連用語

fxのFX

煮え切らず、しかもややfxなウクライナの現状を、憂鬱な先物取引と共に描いている。『ウェイクフィールド/ウェイクフィールドの妻』(柴田元幸・青木健史訳/新潮社一六〇〇円)はナサニエル・ホーソーンの短編と、それをもとにしたエドゥアルド・ベルティの短めの長編を収録したもの。ペルティはアルゼンチンの現代作家である。「ウェイクフィールド」は、妻を一人残して蒸発した夫が、二十年後にひょっこり帰ってくるが、その間、夫はつい近所に住み続けていて、蒸発の理由も、突然帰ってきたわけもわからないという謎めいた作品である。「妻」は、残された妻をめぐって意想外の物語を引き出したもので、元の話が持っていた謎には触れないまま、新たに謎を産出している。つまり元の話では不可解なのはおもに男の心だったが、「妻」では女心も、わかるようでいてわからないものになっているのだ。この作品は、読者にあまりにもいろいろなことを考えさせる。いったいこの物語は何なのか?あるいは、このすべては何だったのか? その謎は決して本当には解かれることがないため、私たちは思索の迷宮に落ち込んでしまう。小説からこんなにもとめどない思索に引き入れられることもあるという恰好の一例である。テリー・プラチェット『刈り入れ』(久賀宣人訳/島影社一八〇〇円)は《ディスクワールド》という、英国では常に.ベストセラーになるファンタジー・シリーズの十一作目(一九九一年刊)。FXではまるっきり売れなくて、翻訳もちゃんと出なくて、とても悲しいので、ここで無理やり紹介する。本作は死と生をめぐる哲学がテーマだが、残念ながら、シリーズ中でも特におもしろい話というわけではない。志のある方に買っていただきたい。子だくさんの巨大イグアナがNYを蹂躙する夏だというのに、新刊は微生物と遺伝子の話ばっか。バイオ・サスぺンス(スリラー)ってfxがポイントね。ま、もともとFXではこの種の現実密着型SFが主流だったわけで、七〇年代FXSFにブロックバスター小説的な(ハリウッド映面的な)方法論を接ぎ木したのが世紀末バイオSFの基本。サンフランシスコ湾内のfx から始まるアンダースン&ビースン『終末のプロメテウス』(内田昌之訳/ハヤカワ文庫SF上下各七八〇円)も、前半はきわめて映画的。原油処理のため、オクタンを食べる微生物プロメテウスを撒布する。が、そのプロメテウスが暴走し……という筋立てもパニック物の王道でしょう。しかし、暴走の過程ではなく、結果を描いている点で、パニック物とは一線を画す。プロメテウス解縛後、物語は一気に『復活の日』的な破滅SFに移行するんだけど、この切断(世界が一瞬で一変する驚き)がSFの醍醐味。問題は、文明崩壊後の世界で起きる局所戦が後半の中心を占めること。登湯人物が無闇に多いのも難点で、このスタイルが成功しているとは言いがたい。読者サービスの方向を間違えた例。同じ二人組でも、怪獣SF『レリック』のコンビ、プレストン&チャイルドの『マウント・ドラゴン』(中原尚哉訳/扶桑社ミステリー上六一〇円下六二九円)は、抜群のストーリーテリングを誇る。インフルエンザに対する免疫をつくるボノボの遺伝子をヒトDNAに組み込む研究中に致死ウイルスが誕生してしまうという発想もいい。ただしこちらは前提だけがSFで、プロットはサスペンス。極端に誇張されてるけど類型的じゃない登湯人物たち(巨大バイオ企集CEOのスコープスは今年のベストキャラかも)のおかげで、できすぎた話にも違和感がない。やっぱり基本(理屈とディテール)ができてると強いね。なお、このコンビの作品では、『レリック』の続編、『地底大戦』(富永和子訳/扶桑社ミステリー上下各六一〇円)も出ている。マンハッタン地下が舞台なだけに、レリックがミミックになったようなFX ですが、あいかわらずキャラ立ちまくりでぐいぐい読ませる。これは映画的手法が成功した例。黒死病の十四世紀と、古代から甦った疫病に襲われる二十一世紀英国を交互に描く――と要約すれば、ウィリスの『ドゥームズデイ・ブック』そのまんまだが、アン・ベンソンのデビュー作『暗黒の復活』(古賀弥生訳/徳間文庫上六二九円下五九〇円)に時間旅行の要素はない。しかし、変貌した二〇〇五年の描写は意外とリアルで、その背景がプロットと密接にからむところにSFらしさがある。六世紀離れた二つの物語をタイムトラベル抜きでつなぐため、かなり苦しい先物取引 を使ってるけど、まあぎりぎり許せる範囲でしょう。ペストどころか天然痘も復活、ついでに新型HIVまで猛威をふるうのが、北上秋彦の『種の復活』(ノン・ノベル一一四三円)。田中光二の『大滅亡』とか、ノン・ノベル伝統の情報小説が復活したような力作ですが、いくらなんでも欲張り過ぎ。結果的に各ネタのディテールが甘くなり、荒唐無稽な印象に拍車をかける。ま、ノン・ノベル的にはこの料理法で正解かもしれないけど……惜しい。ところでモノクローム抗体ってモノクローナル抗体のこと?図子慧『ラザロ・ラザロ』(集英社一九〇〇円)は、不老不死を実現する遺伝子組み替え技術が焦点。ただし話の骨格は『百舌が叫ぶ夜』的なサスぺンスで、「超美形の中間管理職を主人公にリアルな企業小説を書く」という困難なテーマに挑んで成功させた、じつにユニークな佳作。ふう。以上でバイオSFバトルロイヤルは終了。来月出るプレストン兄の『コブラの眼』は誰か他の人がやってね……と勝手に決めたところで、今月の本命はヴォネガット『タイムクエイク』(浅倉久志訳/早川書房一九〇〇円)。

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